福岡市・薬院、東京都渋谷区・恵比寿、代官山の整形外科・スポーツ整形・リハビリテーション「整形外科 スポーツ・栄養クリニック」

【福岡】5月17日(火)は世界高血圧デー

こんにちは、管理栄養士の濵田です。

2022年5月17日は世界高血圧デーです。それにちなんで、今回は血圧と塩分のお話です。

高血圧は世界的に最も多い病気であり、日本においても約4300万人の患者がいるとされています。およそ3人に1人は高血圧という状況です。

日本の高血圧患者の中でも、コントロールが良好なのは約27%です。約33%は自分が高血圧であることに気づいていない、あるいは治療をしていないというのが日本の現状です。

 

〇そもそも、血圧とは?

血圧とは、心臓から送り出された血液が、血管の壁を押す力のことです。その為、血圧は血流量と血管抵抗をかけた数字で表されます。

ヒトの血圧は120/80mmHgくらいですが、ネズミは113/81mmHg、キリンは260/160mmHgくらいと、動物によって血圧は大きく異なります。

 

〇血圧の「上」「下」とは?

血圧には、収縮期血圧(上の血圧)と拡張期血圧(下の血圧)があります。

収縮期血圧⇒心臓が収縮して、血液が送り出されている時最も高い血圧(下図左)

拡張期血圧⇒心臓が膨らんで血液が戻ってきている時の最も低い血圧(下図右)

 

〇なぜ高血圧になる?

運動時や強いストレスがかかった時の血圧上昇や、自律神経やホルモンが関係している場合、塩分の摂りすぎによる循環血液量の増加による場合も多いですが、生活習慣病としての高血圧は、動脈硬化が大きく関係しています。

細い血管に動脈硬化が起ると、血液を送り出すのにより強い圧力が必要になり、拡張期血圧が上がります。さらに、動脈硬化が太い血管にもお及ぶと、心臓から送り出す時の圧力が余分にかかるようになるので、収縮期血圧が上がります。

        

 

〇合併症は?

高血圧によっておこる合併症は様々なものがあります。脳卒中や狭心症、心筋梗塞、心肥大、心不全、慢性腎臓病(CKD)、大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症など多岐に及びます。

なお、高血圧の自覚症状は殆どありません(血圧がかなり高すぎると、頭痛、めまい、肩こりなどが起りやすくなる場合もあります)。ある日突然、このような疾患が発症することもあるため、【サイレントキラー(沈黙の殺し屋)】と呼ばれることもあります。

 

〇高血圧の分類

分類
診察室血圧(mmHg) 家庭血圧(mmHg)
収縮期血圧 拡張期血圧 収縮期血圧 拡張期血圧
正常血圧 <120 かつ <80 <115 かつ <75
正常高値血圧 120-129 かつ <80 115-124 かつ <75
高値血圧 130-139 かつ/または 80-89 125-134 かつ/または 75-84
Ⅰ度高血圧 140-159 かつ/または 90-99 135-144 かつ/または 85-89
Ⅱ度高血圧 160-179 かつ/または 100-109 145-159 かつ/または 90-99
Ⅲ度高血圧 ≧180 かつ/または ≧110 ≧160 かつ/または ≧110
(孤立性)
収縮期血圧
≧140 かつ <90 ≧135 かつ <85

参考:日本高血圧学会

 

高血圧の診断基準は、140/90mmHg以上で高血圧と判定されます。

なお、家庭で血圧を測定すると、一般梯に医療機関で測定するよりも低めになるため、家庭で測定した場合の高血圧の基準値は135/85mmHgになっています。

 

〇生活習慣の改善点は?

高血圧治療の目的は、心血管疾患などの合併症を予防することにあります。目標値は年齢や病態によって異なりますが、まず第一に生活習慣の改善によって、血圧を下げるようにします。

具体的には、減塩や健康的な食事、規則正しい食生活といった食事療法や減量、運動、節酒などが挙げられます。今回は減塩についてお話します。

     

 

〇減塩

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、食塩の目標量は男性7.5ℊ未満/日、女性6.5ℊ未満/日となっています。

しかし、実際に成人の平均食塩摂取量は男性10.9ℊ、女性9.3ℊと基準をはるかに超えています。

高血圧の方は、6.0ℊ未満/日を目標に減塩を行います。

汁物、麺類、漬物、肉・魚の加工品などは、塩分を多く含む食品の代表として挙げられます。

汁物⇒1日1杯まで、具沢山にして汁は少なめ

麺類⇒頻度を減らす、汁は残す

漬物や肉・魚の加工品⇒量・頻度を控える

など工夫をしましょう。

また、普段から濃い味が好きな方は注意が必要です。料理をする際は、薄味を心がけましょう。

その他減塩のポイント・工夫については管理栄養士がご相談に乗ります!いつでもご相談ください。

 

スポーツ栄養クリニック 福岡

092-716-5550